本年も、たいへんお世話になりました。
感謝の気持ちを込めて、以下長文です。
この頃、デパートの食品売り場へ行くと、
おせち料理の注文受け付けをしていますね。
数日かけて仕込みをして、漆塗りの重箱に料理を詰める・・・
やりたくてもできないのが現代社会に生きる苦しさ。
我が家では、毎年ダウンサイジングし、
しつこく手作りで乗り切っていますが、いつまで続くのか。
奈良~平安時代に中国から伝わった五節句に由来するとか。
五節句は
1月1日「正月」
3月3日「ひな祭り」
5月5日「端午の節句」
7月7日「七夕」
9月9日「重陽(菊)の節句」
と、年に5回あり、本来は陰陽思想によるもので、
邪気を払う儀礼を行ったり、
特別な料理を仕立てたそうですが、
日本の農耕儀礼と習合・変化したようです。
そこで正月は「人日の節句」です。
古代中国では、
1月1日=鶏、2日=狗(いぬ)、3日=羊、4日=猪、
5日=牛、6日=馬、7日=人、8日=穀物
とし、その日が当番の生き物については、
殺さず大切にし、天候でその歳の吉凶を占ったのだそうです。
それが日本では稲作文化の影響で
「人日の節句」の料理が
“歳神様への供物” となり、
“一族の繁栄を祈る料理” と変化したのですが、
漆塗りの重箱に詰めるようになったのは、
庶民に漆器が普及した明治時代に入ってからだそうで。
最近、市販のおせち料理が入っている重箱や、
専門店以外の店で売られている重箱もほとんど
プラスチックでできている現状を見る限り、
「漆器におせち料理を詰める習慣が続いたのは、せいぜい100年ほどでした。」
ということにならないよう、
ぜひ下記を読んでから年を越してくださいませ。
金沢工業大学の小川俊夫教授の研究がよく知られていますが、
実験で、「漆塗り」と「プラスチック」の板を用意し、
1mlあたり20万個の大腸菌を置いて、同じ環境で24時間放置したところ
「プラスチック」は6万個
「漆塗り」は26個
になっていたそうです。
このような実験は、下記にも報告されています。
京都漆器工業組合さんの記事
プラスチックやウレタン塗装の重箱をお持ちの方、
内側だけでも漆を塗ってみたくなりませんか?
そう思われた方は、ぜひ「ぬり松、漆の教室」へ!
・・・ (^_^;) お後がよろしいようですが、
みなさま、
漆器のある食卓で、
毎日に少しでも喜びを。
良いお年をお迎えくださいませ。
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2014年1月開講日のお知らせです。
年始はお休みしますので、第②③④週
に開講いたします。
当月から、教室が2箇所に分かれますので、お間違えなく。
<金曜日:天神教室>
1月10・17・24日
・・・9:30~12:00
<土曜日:姪浜教室>
1月11・18・25日
・・・9:30~16:00で、3時間くらい
では、また来年 (^^)/