2015年12月20日日曜日

草戸千軒ミュージアム  漆職人の工房!


JR山陽本線の福山駅北口を出たら
お城に沿って西へ徒歩5分ほど。

広島県立「ふくやま草戸千軒ミュージアム」には、
中世の職人工房が再現され、常設展示で見ることができます。

草戸千軒遺跡は、600年ほど前、
町の機能が途絶えて寂れたところに
芦田川の氾濫で土砂が流れ込み、
そのまま埋もれていたのだそうです。

1961年~30年もかけて発掘され、
住居、寺社、船着場、職人工房、市場を備えた
室町時代の町が姿を表し、
「日本のポンペイ」とも呼ばれるそうです。


迎えてくれるのは時代劇セットのような、町並み。

夏の夕暮れ時です。
なんと、写真撮影OK!






出土品をもとに、当事の様子が想定再現されています。

漆職人工房、
鍛冶職人工房、
番匠(大工さん)の家、
船着場
などがありました。



  


出土品の展示コーナーには、漆芸道具などの珍しい史料がありました。
不思議な形の刷毛とか・・・
ヘラはあまり変わっていませんね。






室町時代と言えば、庶民階級にも漆塗の椀が普及した時代。
当事の食膳はこのようなものだったそうです。



たいへん勉強になりました。
いつか、教室の研修旅行でご案内できたらな、
と思います。


明けて2016年1月2、3日は開館しているそうです!


(広島県立歴史博物館)

広島県福山市西町2-4-1
☎084-931-2513

9:00~17:00
月曜休館(祝休日なら開館)
年末年始、その他展示替え期間など休館







2015年11月25日水曜日

ぬり松、漆の教室 文化祭 開催中

只今、リバレインB2F「博多養生処」にて、当教室生の作品展を開催しております。

今回、文化祭としたのは、日頃の漆による制作だけではなく、

生徒さんひとりひとりにスポットをあて、

バラエティにとんだそれぞれの趣味の世界を披露したかったからです。


変わりの大皿や、金継。


ご自分で編まれた竹製品にうるしを塗る方、そして趣味で制作した五重塔。


陶胎漆器や金継、漆のブローチ。


ご自分で削られた(木工旋盤)木胎に様々な漆塗り。


書道や自作のスカーフなど盛りだくさんです。



なかには仕事として作品制作している人もおりますが、

プロ顔負けの趣味人もおります。

11月29日(日)まで展示しています。(販売はしていません)

どうぞ、お近くにお越しの際は是非お立ち寄り下さいませ。

詳しい情報は下記の通りです。

とき
11月23日(月、祝)~11月29日(日)
11時~18時(最終日のみ17時まで)

場所
〒812-0027
福岡市博多区下川端3-1博多リバレインB2F
「博多養生処」生活支援サロン
☎092-282-6001



2015年10月6日火曜日

山口県で、イベント出品のお知らせ

Decor in 旧宮内邸

11月6日(金)・7日(土)

9:30~15:30



カリスマ器コーディネーター、佐久間智子さん主催。

場所は防府天満宮そばの一軒家です。









防府は、菅原氏の祖先にあたる土師氏の拠点だった場所です。

その御縁で、菅原道真公は九州へ下る途中で防府に寄りました。



防府天満宮の創建は延喜2(904)年。
京都の北野、福岡の太宰府とあわせて三大天満宮だそうです。




見事な彫刻で荘厳された春風楼からは、
防府の街や佐波川が見渡せます。








また、近くには国史跡の周防国分寺があります。
金堂などの建物は江戸時代の再建ですが、
創建当初の伽藍配置のまま残っているのは珍しいそうです。







昼食は兎屋の蕎麦がおすすめです。







ぬり松、は、日常使いの器とカトラリーを出品します。
みなさまのご来場をお待ちしています。


<出品者>

松生順、松生聖淑 (工房ぬり松、) …漆芸
田村覚志 (tazz.) 
線描画

松本行男 (デラシネ創芸) 
創作園芸、多肉

冨田 剛 (Biwa Original jewelry) 
ジュエリー、アクセサリー

佐藤 崇 (葉々窯) 
陶芸

平井睦美 
ガラス

竹田真剛、竹田裕子 (南来琉)
 陶芸、染織

角 俊弥 (わっか屋) 
木の器・木のコップ・木の小物

河村征範、枝澤昌洋 (Argent&Branch) 
ラブリン・ジュエリー、革小物



2015年8月9日日曜日

生徒さんの漆作品が、どんどん完成しています

暑い日が続いています。

皆様、お変わりありませんか。

さて、今回は、ここ数ヶ月で完成した、生徒さんの作品をご紹介します。




まず、ご紹介しますのは、木工旋盤をご趣味でされている方の作品です。

つまり、木地も創作です!!


銀箔を散らし、上から梨子地漆を塗ったものです、面白いですね。



これは、いわゆる根来塗。
光ってます!!







これは、、塗りが剥がれていた讃岐盆をお直ししたものです。

大変立派になりました。





次は、赤漆と呼ばれていた、蘇芳で木を染め、

その上から摺漆や溜塗りをする技法にチャレンジしています。

この技法は大変古く、正倉院の時代からありました。



出来上がりが楽しみですね。




最後は、木地溜塗りの半月盆です。

この方は、木工を趣味にされている方で、

作品制作に活かせる塗りを

教わりに来ていました。

短期間でしたが、力作が出来ました。



こんなかんじで、他にも完成品が出てきていますので、

そろそろ我が教室の作品展でもしようかと思っています。




2015年7月6日月曜日

先日の講演会の記事




7月5日の西日本新聞朝刊です。

講演会当日は、たくさんの方にお越しいただきました。

あらためて御礼申し上げます。





小西美術工藝社デービッド・アトキンソン社長のお話は、
次から次へと裏話や意外なお話が飛び出して、
あっという間の1時間でした。


浄法寺漆産業松沢社長のお話も、
データや画像を使った説明がわかりやすく、
専門外の皆さんも熱心に聴き入っておられました。
漆掻きのシーンは、初めて見た人ばかりだったと思います。





不肖、工房ぬり松、
松生順も、身近な例から漆の魅力を訴えさせていただきました。






九州ではほとんどの方が「漆は東日本の文化」と認識されていますが、
ハゼノキが輸入される前は、九州にも漆文化が存在しました。

太宰府に「漆川」、嘉麻市に「漆生」、
鹿児島県姶良市にも「漆」の地名が残り、「姶良市立漆小学校」まであるのです。

そして、弥生時代の漆文化は北部九州が発信地だったこともあり、
もっと福岡で盛り上がってもよいのでは?と思います。


私達が福岡に来たのはちょうど20年前。当時はまだ、
「木地を挽いている人」
「漆塗りをやっている人」
の話を耳にすることがありましたが、
“失われた20年”の間に、それも聞かなくなりました。


松沢社長は、今踏ん張らなければ
国内の漆文化が本当に途絶えてしまうと危機感をお持ちです。

アトキンソン社長は、中国産漆を使ったり、海外生産したものを
「伝統」「日本文化」と言い、国内の継承者をないがしろにしている現状を
行政や世間に訴える活動をされいてます。



石油のような枯渇の心配がなく、
CO2削減でき、
無害で(使う人に。作る人には厳しいですが・・・)
美しい漆

漆を利用する文化が、
自分の生まれ育った国にあるなんて、
感動です。

もっと知っていただけるよう、頑張ろうと、
決意を新たにしました。


2015年6月3日水曜日

講演会~「日本の漆と文化財」のお知らせです。

きたる6月26日(金)13:30~16:30 福岡氏中央区の天神北にある、書斎りーぶる 2Fセミナールームにて漆に関する講演会が行われます。
題して「日本の漆と文化財」

講師は、
日本産漆の一大産地から、松沢卓生氏(株式会社浄法寺漆産業 代表取締役)
日光東照宮など、文化財の保存修復を手がける業界からデービッド・アトキンソン氏(株式会社小西美術工芸代表取締役社長)
そしてぬり松、漆の教室代表の 松生順(九州産業大学芸術学部非常勤講師)
という、そうそうたるメンバーです。

以下、主催の松沢卓生氏からの言葉です。


日本の漆の約8割を生産する岩手県二戸市浄法寺町。
浄法寺の漆は金閣や日光東照宮などの国宝、重要文化財の修理修復に使用されています。
しかし、国内で使われている漆の約98%は中国産漆で、国産はわずか2%。
縄文時代早期からの長い歴史を持つ日本の漆の伝統は、残念なことに需要の低迷や職人数の減少・高齢化により「風前の灯」となっています。

それは、自然由来の優れた資源である漆の魅力が忘れ去られ、知られていないことも一因です。
漆の伝統を後世に継いでいくためには、漆掻き職人が集団として残っている今こそ、対策を講じなければなりません。

今回の講演ではそれぞれの立場で漆に関わられている方から、その現状とこれからについて語っていただきます。

参加は無料です。(事前にお申込が必要です。下記参照。)
福岡ではなかなかない漆に関する講演会です。どうぞふるってご参加下さい。


お問い合わせ先(主催者) : 株式会社浄法寺漆産業 
    
メール)info@japanjoboji.com  ☎019-656-7829

お申し込み : 下記URLの参加フォームからお願いします。 
http://goo.gl/forms/Fq9k7SOQKO


日本の漆と文化財 facebookページ    
https://www.facebook.com/events/1616597778626891/

主催:株式会社浄法寺漆産業
http://www.japanjoboji.com/

2015年5月1日金曜日

引越しました。

天神教室が昨日引越ししました。
新しい場所は、収納が多いこともあり、以前より広くなりました。
まだ、片付いていないのでお見せ出来るものはありませんが、随時アップしていこうと思っています。
まずは、情報を。

住所

福岡県福岡市中央区渡辺通5-23-2 東急ドエルアルス天神503

アクセス

*地下鉄ご利用の方
 ・・・ 天神地下街、南突き当りの東12C番出入口出て左。徒歩0分

*西鉄大牟田線ご利用の方
・・・ 西鉄福岡駅南口を出て左に渡辺通を、さらに国体道路を渡りそのまま南へ徒歩5分

*お車の方
・・・ 駐車場はございません。近隣のコインパーキングをご利用ください



入口はこんなかんじです↓


当分、落ち着かないこともあると思いますが、これからも今まで同様、よろしくお願い致します。

なお、新しい場所での教室始まりは、5月15日金曜日9:30~です!!





2015年3月26日木曜日

KBCテレビ「サワダデース」より、漆体験の収録がありました。

昨日、我らが「ぬり松、漆の教室」のテレビ取材が、自宅工房にて行われました。

ディレクターMさんとレポーターさんが約束の時間に到着。
軽く打合せの後、実際に「塗り」と「沈金」を、リポーターの坂井しおりさんが体験しました。

「塗り」の体験は、中塗りの椿皿に黄口の上塗り。
先生は、私、順。
最初に私が実際に別の皿を塗りながら、ポイントを説明。
その後実際に塗って頂きました。
レポーターさんは、漆の粘りで刷毛運びが予想以上に重かったことと、左手の動き(回転)に最初苦心していましたが、最後には要領を覚えはじめ、キレイに塗り上げることが出来ました。















次は、「沈金」体験です。
先生は、まさよ先生。
デザインは、いくつかある見本からチョイスして頂きました。
ちょっと難易度が高いかなと思いつつも、まずは練習板で練習。
そして、本番の盃に絵を彫りはじめました。
まさよ先生の的確なアドバイスに,、坂井さんは少しずつコツを覚えていきます。















彫りが終わり、最後にまさよ先生が金粉を打ち込みますと、鮮やかに図柄の花が浮かび上がり完成~!!



この内容は、KBCテレビ 「サワダデース」で、3月30日(月)10:45~から放映されます。

ディレクターMさんは漆に関する勉強がしっかりされており、仕事とはいえ我々大変感動。
また、レポーターの坂井さんも、とてもガッツのある方で、最後まで自力で沈金を仕上げたので、これまた感動しました。


実際の放映は短いのに、時間を延長しての収録、お疲れ様でした!!

2015年1月9日金曜日

今年も始まりました!!第一弾の完成品は棗と茶杓でした!!














本日が、新年の初教室でした。

システムが月謝制からチケット制に移行しましたが、何の混乱もなく始まり一安心でした。

早速、本日の完成作品から~。

Sさんの黒の棗と茶杓4本です。

10代の頃に祖母が買っていただいたというお稽古用の黄口の棗を黒に塗り替えました。

仕上がりもうまく磨き上げられることが出来ました。

お疲れ様です!!























さて、ここでおしらせです。

工房ぬり松、が参加する企画展が今月始まります。



いつもお世話になっております

Gallery Enlace(福岡市 大名)にて、

企画作品展を行います。

ギャラリーがセレクトした作家4名によるものです。

どうぞご高覧くださいませ。

~~~~~~~展覧会情報~~~~~~~

2015悠悠展 vol.1

時 2015年1月13日(火)~1月25日(日)※月曜日休廊
11:00~20:00(最終日は17:00)

ところ 地図はこちら→Gallery Enlace

参加作家(あいうえお順)

川村 愛 (日本画)

工房ぬり松、 (漆芸)

中津留 友子 (版画)

柳 亜美 (陶芸)