2017年4月8日土曜日

ウルシノキを見に行きました!


佐賀県鳥栖市でウルシノキを栽培されている方が、
分根をされるということで、
研究所の有志でお手伝いに参加しました。

(九州に漆の木を植える運動について、
今までの流れはこちら。)

研究所から7名。
ほかにも福岡県、佐賀県から
総勢16名が集合!

まずは「多く美や」にて、ミーティング。
漆の現状について情報交換です。

満開の桜の下でお弁当をいただきました。
鶯の唄も聞こえます。

教養豊かなYさんが
「あれは鶯の谷渡りと言うんですよ」と。

和歌がお好きなIさんは、桜を詠んだ歌を
挙げてくださいました。

世の中に絶えて桜のなかりせば春の心はのどけからまし

この歌は在原業平が惟高親王の
お供をしているときに詠んだ歌です。

惟高親王と言えば、木地祖と仰がれる
漆工の祖神の一人ですね。
(惟高親王についてはこちら

この日の前後は雨続きでしたが、
不思議と雨粒に当たることはありませんでした。

遠景に満開の桜を眺めつつ
ウルシノキを目指します。


この木は16年前に、鳥栖の多く美やの
渡邉さんが植えられたもので、
養生掻きをされていましたが、
分根して伐るご予定だそうです。


根っこを探して掘り進める作業。

研究所の誇る若手リーダー・Yさんが、
力強い鍬さばきで貢献します。
不肖、松生順も老体に鞭打って・・・

1時間近くかかったでしょうか?
木の高さほどはあろうかと思われる
長~い木の根っこを掘り出します。

鍬が当たったところからはウルシ液が滲み出ました。
何本も複雑に絡みながら伸びる根を見ると
ウルシノキの並外れて強い生命力を実感。

こんなに強いからこそ、「漆」は、
木地を強く丈夫に守る力を持つのですね!

参加者は各自、切断された根っこを持ち帰り、
育苗に挑戦することになりました。
(うちの子)

小学校で経験した挿し木を思い出して
1本は水に漬けてみました。
あのときのアジサイのように根っこが
生えてくれると良いのですが・・・。

建築士、大工さん、木工作家さん、造園家など、
多彩な顔触れ。

ウルシノキの活用は、器だけではないことを
思いました。

他の木に比べ、腐りにくいことなども
考えると、まだ活用の余地があるかも
しれません。

ウルシノキは花も咲きますし、
秋には見事に紅葉します。

渡邉さんの木を発端に「九州に漆を」という
機運が高まってきました。

博多漆芸研究所も何かしたくて
うずうずしています。