2017年3月31日金曜日

実は、月曜日の午前中も講習してます




博多漆芸研究所の講師は、
百貨店やギャラリーで展示会活動をしている
プロの漆芸作家です。

(2016年 岩田屋 ザ・ギャラリーでの個展)

古典技法~新技法まで
惜しげもなく教える点がセールスポイントです。

研究員(生徒)さんが、
個展で作品をご覧になり、
「これが作ってみたい」となれば、
同じ木地、同じ技法で制作して
いただいています。

例えば、こちら。

(工房ぬり松、制作「伽羅塗り杯」)

(F研究員制作「伽羅塗り杯」)

いかがでしょう。
旬な作品が作れる楽しさ、
味わってみませんか?!

県の美術展に出品したい方の
ご指導も承ります。


講師の作家活動の関係上、
開講日が少なく、ご不自由をおかけしています。

今のところ、
天神教室・・・火・金
姪浜教室・・・土
ですが、

博多の朝日カルチャーセンターでも
「金継・漆芸 漆の美」
という講座を担当しております。

こちら→ 朝日カルチャーセンターHP
詳細をご覧ください

毎月第2・第4月曜日の10:00~12:00。

博多駅直結で雨の日も安心です。

スペースの都合上、
大きなサイズの制作は無理ですが、
講師は松生順とまさよの2名が担当し、
講習内容はほぼ同じです。

金継と漆芸の両方を講習しておりますので、
金ではなく変り塗りで継いでみたい!
など
アバンギャルドな要望にもお応えできます。
(「金継」「漆芸」で道具セットが異なります)

朝日カルチャーは、6回講座になっておりますが、
1ヶ月ごとの受講も可能です。

遠方の方やお忙しい方など、
ぜひご活用ください。












カレーなる火曜日



火曜日の教室は、なぜか全員カレー好きです。

食べるだけでなく、作るほうも、といった具合で、
おいしいお店やレシピの話題になったり、
教室が終わった後にカレーを食べに行ったりしていました。

イベントにカレー店を出すほどの腕前のKさん、
ネパールで、インドで、
本場でがっつりカレー三昧を経験されたOさん、
カレー店を開こうと思ったことのあるYさんなど、
かなりの強者揃いですが、

そこへ
カレーショップ開店準備中のHさんが入所してからは、

カレー街道まっしぐら!!


Hさんは作り方を専門的に習った上に、
食べ歩いているので、
相当舌が肥えているはずですが、
一押しのお店は残念ながら火曜定休。

それが先週
「もっとおいしいお店みつけました!!」

となったものだから、
ざわ ざわ・・・

もう我慢できず、
その日のうちにGO! GO! GO!



南インドのミールスと言う
「定食」のようなメニュー。

野菜の甘味と、スパイスの五味との
ハーモニーがすばらしかったです。

赤坂のポラポラ食堂というお店でした。

こちらの画像は、その日の教室での一コマ。


大量の刻苧を作るために
麦漆を練っていたのですが、
面白がってぎゅんぎゅん伸ばしてみました。
トルコアイス・チョコレート味みたいですね。


カレーに
じゃなかった、
漆に興味のある方は、見学大歓迎です!
どうぞ遊びにいらしてください。

講習時間は9:30~12:00。
 毎週火曜日 (天神教室) ※第5週休講
 毎週金曜日 (天神教室) ※第5週休講
 隔週土曜日 (姪浜教室) ※第2・第4

※隔週月曜日の午前中は
朝日カルチャーセンター福岡校)※第2・第4


エアリザーブでもご予約可能です。






2017年3月25日土曜日

2017年漆の旅


鹿児島県に行ってきました。
鹿児島県姶良市には「漆」という地名があります。

まずは、姶良市立歴史民俗資料館へ。


ここへ寄ったのは、南九州特有の石造道祖神
「田の神様」を見学するのが目的でしたが、

館内には郷土資料がたくさん!
宝探しのように読み漁りました。

『鹿児島県の地名』という本の「漆村」という項目に
漆地名の由来が詳しく書かれていました。

それによると、漆には、かつて漆畠があり、
寛政12(1800)年の頃は「漆田村」と呼ばれていたそうです。

砂金がとれたため、嘉永年間に三年間だけですが、
鹿児島藩の大良金山として操業したとか。

受付のおじさんにも漆について尋ねてみましたが、
郷土誌に精通されている方で、本に書かれていたようなことを
すべてご存じでした。

やはり、地元の方の間でも、
「昔はウルシノキが植わっていた」と
言われているそうです。

漆への道順も丁寧に教えてくださいました。

おじさんから教えられたとおり、
「えっ、こんなところ車で通れるの?」と、
ドキドキはらはらの細い山道を往きます。

対向車が来たら離合できるのだろうか?
 ※離合(りごう)
最近、方言だと知りました (^^;
車同士が行違うことです

「…と、恐る恐る走るうちに、
パッと開けて田んぼが広がるよ!」
 これまたおじさんの予言通りの展開。


まずは、漆小学校を訪ねます。
日曜日で人気のない学校。

美しい木造の体育館や昭和のままの風景に
懐かしくて胸キュンです。


漆郵便局もあるぞ!
なんだか嬉しくなる、漆ワールド♪

田の神様も鎮座。


現地で薪を割っていたおじさんにも
漆地名について聞いてみましたが、やはり、
「昔ウルシノキが生えていたと聞いた」
とのこと。

その漆で何を作ったかはわからずじまいですが、
郷土史の本では、近隣の地域に
刀工、鉄砲鍛冶、馬を飼う牧などの
記述が見られるので、
あくまでも憶測ですが、
武器や兵器に塗るために植栽されていた
のかもしれません。

漆は甲冑の塗料として使いますし、
刀の鞘も漆塗りです。
金属の錆止めにも漆が塗られていました。

秋田県の川連塗りは、
軍需産業として漆塗りをしていたものが、
江戸時代に生活漆器へ転換したものです。

ともあれ、
現在の漆地区はなんとのどかなことでしょう。
帰りたくないエネルギーが満ちる場所です。

後ろ髪ひかれつつ、
「またいつか」
と、田の神様に約束して
漆を後にしました。







2017年3月10日金曜日

螺鈿と銀箔の魔法♪

最近の参考作品をご紹介しまーす♪

漆芸技法の中でも、螺鈿は特に人気です。

竜宮城のような色彩とキラキラ感に、
魅了されない人はいないのでは?


しかし、実際にやると簡単ではありません。

薄貝を貼ってから漆で塗りこめますが、
その後の研ぎがなかなか難しいのです。

貝は薄いので、力を入れすぎると剥げてしまったり、
ヒビが入ることもあります。

Fさんの螺鈿、たいへんきれいに仕上がりました。

貝を破損することなく、きれいに研ぐことができました!
この飴のような輝き、たまりませ~ん。

 みじん貝を蒔いたものも、ドリーム感あります!


お孫さんにプレゼントするために、根気よく制作を続けたFさん。


こんな素晴らしい器を使うお孫さんが羨ましいですね!


続いて、Nさんの小箱です。

寄木細工で松を表現した珍しい品ですが、
割れや欠損があって使用できない状態だったので
修繕しました。

補修してこのような感じに。

これはこれで重厚感がありますが、
ヤングな女性には、ちょっと地味かな、

ということで、
若いNさんに合わせてアレンジをご提案♪
思い切って、松の部分に銀箔を貼ると・・・


いかがでしょうか?
雰囲気ががらりと変わりました!

元通りに修復したり、
目立たないように傷を埋めるのはもちろん、
今回のように、ワンポイントでモダンにアレンジしたり、
まったく違う仕上げに塗りなおすことも。

漆って、際限なく遊べますよ~